紙粘土で作る

修正会のお鏡餅の製作


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正月 修正会にお供えするお鏡餅は、永年 お世話方のご協力をいただきながら作ってきました。
お鏡餅をご門徒にお配りするため(おさがり)、
餅が固くなる前の1月2日早朝にはお荘厳を平常に戻していました。

そのため、
(1)修正会7日間中のお荘厳は2日には平常に戻していた。
(2)ご門徒ごとに「わっぱ」の使い方に主張があり、相当の割れが進んだ。
(3)きれいな鏡餅を作る技を持つ人が少なくなった。

へぎ(曲げわっぱ)の痛みが激しくなりましたので、わっぱを作り直そうか迷っていましたが、
この際、紙粘土で作ったらどうなるか、思い切って紙粘土でお鏡餅の製作に取りかかりました。

しかし、伝統をやめることは、必ずや寺と門徒の関係が薄くなり、
寺の存亡にもつながるという危機感を抱き、
そして再び手作りに戻すことはできないだろうという寂しさを感じます。
常に多くの方々の手をいただくことが、どれだけありがたいことかと、
あらためて気付かされます。

1 東本願寺の鏡餅

[阿弥陀堂のお荘厳]

阿弥陀堂中尊前です。
正面からはお鏡餅は見えません。
阿弥陀堂中尊前を斜め左から見ました。
須弥壇上にお鏡餅が左右1対供えられています。
段数は10段でしょうか。
阿弥陀堂向かって左余間。
尊前ごとに2段のお鏡餅1個が
「折敷」に乗せて備えられています。
阿弥陀堂向かって右余間。
尊前ごとに2段のお鏡餅1個が
「折敷」に乗せて備えられています。

[御影堂のお荘厳]
[中央]
祖師前(御真影・親鸞聖人)を右から見ています。
前卓に10段重ねのお鏡餅が1対供えられています。
[向かって左・南余間]
九字・十字名号(ご本尊)が奉掛されています。
各名号にお鏡餅が備えられています。
[向かって左・南後座]
ご歴代ご門首の御影が奉掛されています。
各尊前ごとにお鏡餅が供えられています。
[南縦畳前]
ご歴代ご門首の御影が奉掛されています。
各尊前ごとにお鏡餅が供えられています。
[北縦畳前]
ご歴代ご門首の御影が奉掛されています。
尊前ごとにお鏡餅が供えられています。
[北後座]
ご歴代ご門首の御影が奉掛されています。
各尊前ごとにお鏡餅が供えられています。

2 作成した鏡餅

中尊鏡餅です。
折敷に乗せてお供えすべきですが、
拙寺にはありません。
来年までには製作します。
中尊前に鏡餅を供えました。
御]代前鏡餅を備えました。

3 材 料・道 具

紙粘土
  
須弥盛華束でおなじみのパジコの紙粘土。
かるいかみねんど「かるがる」480mlです。
12個使いました。
のし板
紙粘土をのすために使います。
もともとお餅を平たくのすために使っていたものです。
50p×50cm、深さは7mm。もう少し深いほうが良かったと思います。
わっぱ
【写真未撮影】
各尊前卓の大きさに合わせて作られたわっぱです。
【大】
【小】
【中】
中尊前用( mm× mm)
祖師前・御代前用( mm× mm)
余間用( mm× mm)
丸 棒
のし板で紙粘土をのすのに使います。直径2cmを使いました。
のす際に棒がたわみ、厚さが均一にならないので
もう少し太い棒のほうがよい。ですが、太すぎると扱いにくくなります。
サランラップ
へぎや新聞紙の芯に紙粘土がくっつかないように使います。
濡れタオル
のし板やのし棒に湿り気を与えたり、
付着した紙粘土をふき取るのに使います。
軽く絞って使います。
濡らしすぎると、紙粘土がくっついて取れなくなるので注意。
スクレイパー(へら)
あると便利です。
のし板に紙粘土がくっついた際にはがすために使います。
プラスティック製は150円程度で売っています。
サンドペーパー(紙やすり)
最後に鏡餅の形を整えるのに必要です。
餅の質感を出すために
粗目の240番の紙やすり(サンドペーパー)を使いました。


4 製  作

中尊前・祖師前・御代前・余間に合わせて大・中・小の鏡餅を作ります。
すべて2段です。
大きさは異なっても作り方はどれも同じです。

わっぱにサランラップを適当に巻きます。
鏡餅の中を空洞にするため、
わっぱより一回り小さく新聞紙で
平たい円中の芯を作ります。
サランラップで包みます。
わっぱに新聞紙を当ててみます。
わっぱとの間は2cmあれば十分です。
わっぱと新聞の隙間に入れる
紙粘土を作ります。
まず棒状にして
わっぱに当てて長さを確認します。
こんな感じで長さと太さを確かめます。
適当に棒を使って薄くのします。
わっぱの内側に当てて、
足りないところがあれば粘土を足します。
新聞紙の芯を入れます。
鏡餅の上部を
わっぱより少し大きい程度に作ります。
上部の紙粘土をあてて
枠の粘土となじませながらくっつけます。
大中小4個づつ作ります。
裏面はこんな感じです。
乾燥したらわっぱから外します。
(まだ中の新聞紙の芯は外しません)
多少のデコボコ、
不細工な形は気にしません。
形を整えていきます。
凸はそのままで、
凹には紙粘土をこすりつけるように
足して補修し、形を整えていきます。
凹を補修してある程度、
鏡餅らしくなったところで、
しっかり乾燥させます。
(中までで乾燥するのには
1週間はかかります。)
必ず外で
サンドペーパーがけをします。
結構細かい粉が飛びます。
防塵めがねとマスクをおすすめします。
紙やすりで、表面、側面、底面を
きれいに形を整えます。
底面の淵のデコボコは
できる限り平らにします。
中の新聞紙の芯を取り除きます。
側面と上面のつなぎ目が
弱い・薄い場合は
紙粘土を足して補強していきます。

5 完成 ・ お供え

中にお餅を入れます。
2段重ねで下に和紙を敷いています。
中尊前の飾りつけです。
来年までには折敷を作成します。


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