紙粘土で作る

須弥盛華束の製作

No1


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報恩講にお供えする須弥盛華束は、永年、お世話方のお手伝いをいただきながら作ってきました。
餅つき、餅丸め、餅のし、積み上げなどなど、相当の手間がかかります。
役員から、「女性にお手伝いをお願いしにくくなってきた」との意見を受け、
思い切って紙粘土で須弥盛華束の製作に取りかかりました。

しかし、伝統をやめることは、必ずや寺と門徒の関係が薄くなり、
寺の存亡にもつながるという危機感を抱き、
そして再び手作りに戻すことはできないだろうという寂しさを感じます。
常に多くの方々の手をいただくことが、どれだけありがたいことかと、
あらためて気付かされます。

紙粘土で作った 須弥盛華束の完成状態

中 尊 前
左側 右側
胴部下(供笥上面)から頭頂部(橙を除く)までの高さ(上の写真の例) 530mm

祖師前

1 過去の須弥盛華束づくり

ご門徒さんや近所のお手伝い当番の人たちです。

おくどで餅つき
みんなで丸餅づくり
餅のし中
終わってきなこ餅
華束盛り
完成
報恩講が終わっておさがり袋詰め

2 東本願寺の須弥盛華束と名称付け

本山・東本願寺の報恩講の須弥盛華束を製作の参考にしました。
このホームページ中の説明のために、須弥盛華束の各部に仮の名前を付けました。本来の名前が分かれば教えてください。
ところで、須弥盛華束は杉盛華束と同様に、すべての部分で小餅を交互に積み上げると思っていました。
(大谷派儀式概要には交互に積み上げるように図解されています。)
東本願寺の須弥盛華束をあらためて確認すると、胴の部分はずらさず、棒状に積み上げています。
東本願寺の須弥盛華束

仮の各部の名称

真宗大谷派儀式概要の図解

3 製作の概略

今回製作するのは、中尊前2行(対)、祖師前2行(対)です。
胴は40段積み上げ、その上に上部華束を置きます。

(1) 胴部の製作

こんな小餅を作ります。
(3680個)
小餅8個用の型紙を使用して1枚(1段)に8個の小餅を貼ります。
胴部用に320枚
頭頂部用に8枚
合計328枚作ります。
7枚(7段)分をボンド付けして1組にします。
色付けの組は6枚(6段)にします。
朱及び紺色を塗ります。
胴部の出来上がり
上から
 白(7枚)
 紺(6枚)
 白(7枚)
 朱(6枚)
 白(7枚)
 白(7枚)

(2) 杉盛部の製作

小餅11個用の型紙に小餅を11個貼ります。
杉盛部用に56枚
頭頂部用8枚
合計64枚作ります。
1枚(1段)ずつずらして張り合わせていきます。
7枚分を1組にします。
杉盛部の出来上がり。

(3) 頭頂部の製作

小餅3個用から小餅11個用の各型紙に
小餅をそれぞれ貼ります。各8枚作ります。

小餅3個用から小餅11個用を
各1枚ずつ積み重ねます。
頭頂部の出来上がり。

4 材 料・道 具

紙粘土
  
須弥盛華束の小餅の代用としてもっとも重要です。
華束の小餅の材料にパジコの紙粘土 かるいかみねんど「かるがる」480mlを使いました。
実物のお餅と比べ、非常によく似た質感があり、軽量で扱いやすさが満点です。
1袋から25〜30個の小餅ができます。
1つの華束には小餅が約460個、4行(8つ)には3,680個必要ですので、「かるがる」は130個程度必要になります。
パジコonline shop の「Hearty」で1個350円(税込378円)送料別です。
通販各社でも取り扱っています。
近くのホームセンター(DCMカーマ)が最もお値打ちでした。(2個入り275円 [138円/1個])
のし板
紙粘土をのすために使います。もともとお餅を平たくのすために使っていたものです。
50p×50cm、深さは7mm。もう少し深いほうが良かったと思います。
丸 棒
のし板で紙粘土をのすのに使います。直径2cmを使いました。
のす際に棒がたわみ、厚さが均一にならないのでもう少し太い棒のほうがよい。ですが、太すぎると扱いにくくなります。
型抜き缶
缶コーヒーの空き缶を切り取り、グラインダーで切り口を滑らかにし、水平にしました。
紙粘土をくり抜く際の空気を抜くため小さな穴をあけます。(飲み口側を使う場合は不要)
(写真の白い部分は、手が痛くなるので、余った粘土を張り付けただけです。)
の り・ボンド
小餅の紙粘土を貼りつけるため、速乾性のある「スティックのり」を使いました。(40g 5本)
 (どんなのでもOK。アスクルが一番安い?)
木工用ボンドを使用しました。(180g 2本)
ホットボンド(グル―ガン)は固まるのが早すぎ、私には無理でした。
濡れタオル
のし板やのし棒に湿り気を与えたり、付着した紙粘土をふき取るのに使います。
軽く絞って使います。
濡らしすぎると、紙粘土がくっついて取れなくなるので注意。
スクレイパー(へら)
あると便利です。のし板に小餅の紙粘土がくっついた際にはがすために使います。
プラスティック製は150円程度で売っています。
色 素
胴の部分に朱色・紺色で彩色するのに使います。
絵具やその他の色付け可能ですが、せっかくなので、本物と同じ食用色素を使いました。
イオンで1本159円でした。
胴の着色用です。100均。
ジェッソ(下地用塗料)
紙粘土を保護し、耐久性を少しでも上げるために使用しました。
須弥盛華束完成後に耐久性向上を思い立ったため、はけ等で塗るという本来の使用方法ができず、
塗料に直接漬け込んで塗布したため、
結局2.5L(7,500円)かかってしまいました。
仕上がり具合は抜群です。

人件費を除く材料費、合計30,000円程度

5 型 紙 ・ ゲージ

乾燥した紙粘土は、1枚(1段)分を、ゲージを下敷きにして、型紙にのり付けして貼り付けます。
その型紙とゲージの印刷用PDFです。

[ポイント]
PDFファイルを印刷する際は、実際のサイズで印刷(「拡大・縮小して印刷する」はしない)

(1) 型  紙

PDFファイルを印刷して型紙を切り取ります。
この型紙に小餅を張り付けます。

小餅個用の型紙

8枚必要
小餅数24個
PDF

A4用紙
小餅個用の型紙

8枚必要
小餅数32個
小餅個用の型紙

8枚必要
小餅数40個
小餅個用の型紙

8枚必要
小餅数48個
小餅個用の型紙

8枚必要
小餅数56個
小餅用紙

328枚必要
(164枚印刷)
小餅数2,624個
PDF

A4用紙

8枚型紙を
2枚同時印刷
小餅個用の型紙

8枚必要
小餅数72個
PDF

A4用紙
小餅10個用の型紙

8枚必要
小餅数80個
PDF

A4用紙
小餅11個用の型紙

64枚必要
小餅数704個
PDF

A4用紙


(2) ゲージ

このゲージの外周に合わせて小餅を型紙に張り付けます。

小餅個用のゲージ
8個用は製作枚数が多いので、8個用のみのゲージを作成しました。
交換用に2枚程度必要
PDF

A4用紙

小餅11個用のゲージ
1枚必要
A4用紙からはみ出していますが、2枚を縦横に張り合わせて補います。
(A3用紙はそのまま使えます。)
PDF
A4用紙
又は
PDF
A3用紙

杉盛部の積み重ね用ゲージ
1枚必要
A4用紙からはみ出していますが、2枚を縦横に張り合わせて補います。
(A3用紙はそのまま使えます。)
PDF
A4用紙
又は
PDF
A3用紙

小餅3・5・7・9個用 共通ゲージ
1枚必要
複数のゲージが色分けしてあります。
PDF

A4用紙

小餅4・6・8・10個用 共通ゲージ
1枚必要
複数のゲージが色分けしてあります。
PDF

A4用紙

頭頂部の積み重ね用ゲージ
1枚必要
A4用紙はみ出していますが、の印で縦横を重ね合わせます。
(A3用紙はそのまま使えます。)
PDF
A4用紙2枚
縦横2枚   
 印刷されます
又は
PDF
A3用紙

つづく
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