お経のどこで
鏧(キン)を打つか


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法要式によってお経の区切り場所、打キン場所が異なり、混乱が生じています。
特に「浄土三部経(抄)」が制定されてより、「昭和法要式」との違いがあいまいになって、住職によって違いがあります。
本山からのお知らせを確認しましょう。

結 論
資料を読んでも複雑すぎで、結局意味が分からないとの声を受け、てっとり早くこんなチャートを作ってみました。


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解 説

真宗大谷派が用いる御経(正依の経典)は浄土三部経です。
浄土三部経 仏説仏説無量寿経
仏説仏説観無量寿経
仏説阿弥陀経

儀式で用いる御経は
(制定年代順)
浄土三部経
(三経四巻)
(本三部経)
仏説仏説無量寿経
(仏説仏説無量寿経巻上)
(仏説仏説無量寿経巻下)
仏説観無量寿経 仏説阿弥陀経
従来から法要に用いている御経
(本山・寺院・門徒のいずれの場合でもこの御経で勤められた)
昭和法要式 仏説無量寿経 仏説観無量寿経 仏説阿弥陀経
1957(昭和32)年に制定され、在家の年忌法要に用いるとされていました。
仏説無量寿経及び仏説観無量寿経は抜粋とし、
伽陀・表白・経中に念仏・和讃を加え、正信偈・同朋奉讃式念仏和讃
及び法話・拝読文をもって法要式としたものです。
「三部経式」「無量寿経式」「観無量寿経式」「阿弥陀経式」
の4種類の法要式があります。
浄土三部経(抄) 仏説仏説無量寿経(抄) 仏説観無量寿経(抄) 仏説阿弥陀経
1992(平成4)年に制定された。この制定では、
①昭和法要式が本山、別院、普通寺院・教会の年忌法要で用いることができる。
②新たに浄土三部経(抄)が制定された。
浄土三部経(抄)は従来「浄土三部経」としてあった三経四巻から、新たに三経三巻にし、
「昭和法要式」中の御経の部分から念仏・和讃等を除き、御経のみとしたものです。
段構成は、無量寿経・観無量寿経については四段構成とし、
阿弥陀経については三段構成となっています。
これらの経緯については「真宗大谷派魚山寺」のHPの「大谷派の声明」で詳しく解説されています。

打鏧(キン)箇所の混乱

各法要式ごとに段構成が異なり、打鏧(キン)の箇所も異なっているため、
僧侶が複数の法要式に臨むと、それぞれの思い込みによって段区切りの場所や打鏧(キン)の箇所等に混乱が生じています。

最も多い間違いは、
昭和法要式でお勤めする在家(門徒)の年忌法要において浄土三部経(抄)の段区切り場所、打鏧(キン)箇所を混同し、
①各経初段終わりに打鏧(キン)しない、
②仏説無量寿経・仏説観無量寿経を4段に仕立て、3段目終わりに打鏧(キン)する
などです。

段区切り・打鏧(キン)箇所の確認

1992(平成4)年『真宗』誌にそのお知らせが掲載されています。
特に浄土三部経(抄)・浄土三部経・昭和法要式 打鏧(キン)対照表には段区切りと鏧(キン)の有無が明示されています。

しかし、「正宗分」という段の名称は、教学的正宗分と声明的正宗分が異なることにより、
寺院年忌法要でばらつき、混乱したため、1993(平成5年)3月の『真宗』誌で表現方法を変更し、
具体的な経文を明示して修正されました。

『真宗』誌
1992(平成4)年4月
1993(平成5年)3月
【PDF】
1992年(平成4年)4月 『眞宗』

儀式に関するお知らせ (式務部)

 2月17日から次の3点が変更になりましたのでお知らせします。

1 昭和法要式のお取り扱いについて
 昭和法要式を本山、別院、普通寺院・教会の年忌法要に用いることができる。
 【解説】 昭和法要式とは、伽陀・表白・御経・総礼・正信偈または帰敬の文・念仏・和讃・回向・法話・拝読文を含めたものをいい、主に在家の年忌法要に用いると定められていた。今般、この法要式を本山、別院、普通寺院・教会等の年忌法要においても依用できることとなった。

2 浄土三部経(抄)の制定について
 (1) 法要式における読誦経文として、新たに浄土三部経(抄)を制定する。
 (2) 浄土三部経(抄)は、仏説無量寿経(抄)、仏説観無量寿経(抄)及び仏説阿弥陀経から成り立つ。
 (3) 浄土三部経(抄)は、浄土三部経と併せて法要式において用いることができる。
【解説】 従来「浄土三部経」としてあった三経四巻から、新たに三経三巻にし、本山、別院、普通寺院・教会等の法要式に用いることができる。
「浄土三部経(抄)」の御経の内容については、「昭和法要式」中の御経の部分から念仏・和讃を除いたものと同じである。段構成ほ、無量寿経・観無量寿経については四段構成とし、阿弥陀経については三段構成としている。打鏧・経題調声読法については、別記のとおりである。
     【以下省略】

浄土三部経・浄土三部経(抄)・昭和法要式  打鏧(キン)対照表
 
   


















浄土三部経 仏説仏説無量寿経巻上






仏説仏説無量寿経巻下
仏説観無量寿経   
仏説阿弥陀経  
昭和法要式 仏説無量寿経


 
仏説観無量寿経
仏説阿弥陀経
浄土三部経(抄) 仏説無量寿経(抄)

 


仏説観無量寿経(抄)
仏説阿弥陀経  
※ 法要次第により、御経の次に偈文・伽陀・楽等がある場合、打鏧(キン)しない。

1993年(平成5年)3月 『眞宗』

儀式に関するお知らせ (式務部)

 本誌昨年4月号「儀式に関するお知らせ」(19頁)中、別表「浄土三部経(抄)・浄土三部経・昭和法要式 打鏧(キン)対照表」を一部修正するとともに分かりやすくするため、改めてお知らせします。

1 浄土三部経(抄)打鏧(キン)箇所印)は次のとおり
 (1) 仏説無量寿経(抄)
 第一段 ●●佛説無量壽經○我聞如是○一時佛○・・・・・・・・・・當具説之○
 第二段  説我得佛○國有地獄餓鬼畜生者○不取正覺○・・・當雨珍妙華○
 第三段 阿難白佛○法藏菩薩○爲已成佛○・・・・・・・・・・・・・・・如法修行○
 第四段 爾時世尊○説此經法○無量衆生○・・・・・・・・・・・・・佛説無量壽
(2) 仏説観無量寿経(抄)
 第一段 ●●佛説觀無量壽經○如是我聞○一時佛○・・・・・・・・淨業正因○
 第二段 佛告阿難○及韋提希○諦聽諦聽○・・・・・・・・・・・・・・・名爲邪觀○
 第三段 佛告阿難○及韋提希○上品上生者○・・・・・是名下品下生者○
 第四段 爾時阿難○即從座起○前白佛言世尊○・・・・・・佛説觀無量壽
(3) 仏説阿弥陀経
 第一段 ●●佛説阿彌陀經○如是我聞○一時佛○・・・・・・・・・・功德莊嚴○
 第二段 舎利弗○於汝意云何○彼佛何故○・・・・・・・・・・・・・・・・生彼國土○
 第三段 舎利弗○如我今者○稱讃諸佛○・・・・・・・・・・・・・・・佛説阿彌陀
注 法要次第により、御経の次に偈文・伽陀・楽等がある場合は打鏧しない。
二 浄土三部経・昭和法要式の打鏧箇所は従来のとおり。

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